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第四章 第二話

last update Date de publication: 2026-06-10 06:16:08

 その日は珍しく流の迎えが遅くなり、水緒と二人、逢魔おうまときの帰り道を歩いていた。

「うぅ……」

 流はうめき声を聞いた。

 声の方を振り返ると水緒もそちらを見た。

 道端に何かがうずくまっている。

 あやかしだった。

 名前は知らないが異形いぎょうの者だ。

 小さな子供くらいの大きさだった。

「大変! ケガしてる! 早く手当てしないと!」

 水緒は流が止める間もなく妖に駆け寄った。

「水緒! そいつは妖だ! 化物だぞ!」

「でも、ケガしてるよ」

 水緒は妖の前に膝を突くと手拭いを裂いて傷に巻こうとした。

 その手を妖が払う。

「人間、触るな……儂は妖だ」

「水緒、聞いただろ。そいつは化物だ。放っておけ」

「でも、ケガしてるんだよ。放っておけないよ」

 そう言うと裂いた手拭いを妖の傷に巻いていった。
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